福山市 すずき歯科クリニックです。
今年も早いもので、11月も終わり12月に入ろうとしています。この1年新型コロナウイルス感染症の話題ばかりでしたが、第3波と言われる感染拡大が心配されるなか、再度気を引き締めなければなりませんね。安心して治療を受けていただけるよう当院のスタッフもリスクある行動は慎むように徹底しております。
さて、これからの時期に心配されることの1つとしてインフルエンザが挙げられます。
常にマスクを着用した生活様式のため、例年に比べるとそれほど罹患者数は多くないであろうと予測されていますが、まずはしっかりとした対策を取る必要があるのではないでしょうか?
インフルエンザの予防対策として「手洗い・うがい」「マスクの着用」は当然のことながら、「歯みがき・口腔ケア」が予防効果を高めることをご存知でしょうか?
今では既知の事かとは思いますが、インフルエンザウイルスは感染者の唾液や鼻水が手についたり飛沫が飛んだりすることで人の鼻や口から侵入し、呼吸器系の粘膜に至ったあと、細胞表面に付着します。そして付着したウイルスが細胞内へ入り込み増殖します。これが「感染」です。ただしウイルス単体では細胞内に侵入し増殖することは出来ません。ウイルスが人に感染するには、人の口の中にある特定の酵素によってウイルスのタンパク質に変化が起きる必要があります。
口腔内の歯周病菌や歯垢に含まれる雑菌は、インフルエンザウイルスが人の細胞に侵入する際や、細胞内で大量に増殖したウイルスが放出される際に必要とする酵素(プロテアーゼやノイラミニダーゼ)を作り出すことがわかっています。つまり口腔内を不潔にしていれば、それだけでウイルス感染の手助けをしていることになります。ちなみに医療機関でよく処方される「タミフル」や「リレンザ」などはノイラミニダーゼ阻害薬といって、ノイラミニダーゼという酵素の働きを抑えることで、増殖したウイルスが細胞内から放出されるのを防ぐお薬です。
ある調査では、歯科衛生士が高齢者に対しブラッシングや歯みがきの指導をした介護施設は、通常の歯磨きをしていた施設に比べてインフルエンザ発症率が10分の1に激減したといいます。
たかが歯みがきと思われるかもしれませんが、正しくブラッシングすることでプラークに潜む歯周病菌を減らすことで歯周病のリスクを減らし、特に嚥下能力が低下した高齢者に見られる誤嚥性肺炎などの発症も抑えることが出来ます。新型コロナウイルス感染症に関するニュースでも口腔内ケアの重要性が再認識されてきています。
これから流行してくるインフルエンザ。歯科医院が出来る感染予防・重症化対策の1つとして、口腔ケアをしっかり行うことをおすすめします。
福山市 すずき歯科クリニックでは歯周病治療・口腔ケア・予防にも力を入れていますので、少しでも違和感を感じる方やお困りのことがあればお気軽にご相談下さい。